新型コロナが世界的に蔓延し、日本でも約44万8000人の感染者が発生。御坊保健所管内も例外でなく、14日現在で47人が確認されている。テレビや新聞などでは連日、コロナ関係のニュースが報じられ、ウイルスに対する脅威を伝えている。無症状の患者もいるが、高齢者を中心に重症化する場合もあるほか、味覚障害、脱毛などの後遺障害が残るケースもあるという。最悪の場合は死につながる。

 新型コロナの感染拡大を考えると、日本人の健康に大きな悪影響を与えたと思ってしまうが、2020年の国内の全死亡者数は前年より約9000人が減少したという。呼吸器系疾患で約1万6000人が減ったことが大きく、内訳は肺炎(新型コロナ除く)が約1万2000人、インフルエンザが約2000人の減少となった。新型コロナの感染対策としてマスク着用や手洗い、手指消毒が広がり、他の細菌やウイルスが流行しなかったとみられている。

 県内のインフルエンザの発生状況を昨年12月から今年2月末までの県の定点調査結果でみると、感染者がゼロ。例年、インフルエンザはこの時期に流行するが、今シーズンは学級閉鎖もなく、住民からは「インフルエンザにかからないだけでなく、今年の冬は風邪をひいたという人も少なかった」という声も聞かれた。生活面では外出の自粛などが強いられた期間もあったが、全体的に健康で過ごせたということになるのではないだろうか。

 新型コロナのマイナス面だけに目を向けると、暗い気持ちから抜け出すことができない。しかし、メリットもあったことを考えれば、暗くなりがちな気持ちが、少しは晴れるのではないだろうか。(雄)