写真=「なみうちマルシェ」のイメージ

 日高町の産湯海岸で32年間にわたって開催されてきたイベント「クエフェア」が2019年で終了したことを受け、町商工会(山田理司会長)は代わりとなる新事業を企画した。事業名は「うぶひだか」とし、内容は地元の食材を生かした「なみうちマルシェ」、マリンレジャーを取り入れた「シーサイドアクティビティ」、景観や自然を活用した「Feelうぶひだか」の3本柱で構成している。

 国や県の補助金を活用して1年がかりで企画。調査や視察などを行い、日高町地域活性化事業「うぶひだか」事業計画書・企画書として冊子にまとめた。

 「うぶひだか」は産湯海岸と日高町を融合させてネーミング。事業のターゲットは自然や食と遊びに興味を持つ若者層で、インバウンド事業で取り組んできたベトナム人観光客を誘致する狙いもある。コンセプトは「ゆったりしたいあなたに、『自然の音』と『のどかな空気』の中で、楽しむ時間を提供します」で、キャッチコピーは「やっぱりここがいいな。うぶひだか。」。クエフェアは一日限りのイベントだったが、「うぶひだか」は年間を通して定期的に開催することを視野に入れている。

 計画では、なみうちマルシェはクエやさばコロッケなど地元の食材を活用。産湯海岸の駐車場を会場とし、質の高い縁日のようなマルシェとして定期的に開催する。周辺地域から集客を図り、地域の活性化につなげる。

 シーサイドアクティビティはシーカヤック、ビーチヨガなどが楽しめるベースステーションを設置し、通年対応を目指したイベント開催やワークショップなどを実施する。

 Feelうぶひだかは町内の田畑や里山、日本一の生産量の黒竹、熊野古道などを活用し、景観や自然を感じることができる観光事業を行う。「日高町ベース(仮称)」を設置し、観光拠点として運営する。

 山田会長をはじめ副会長らが3日、役場を訪れ、松本秀司町長に計画書・企画書を手渡した。松本町長は「計画を基に検討し、地域おこしにつなげていきたい」と前向きで、商工会の山田理司会長は「計画をたたき台としてイベントを展開し、町の活性化につながれば」と話している。