写真=感謝状を贈呈(左から棒引さん、中本さん、寺下さん)

 日高振興局の中村一人局長は3日、地域に貢献したとして、印南町西ノ地の寺下鎭雄さん(76)とみなべ町清川の住民団体「げんき工房きよかわ村」(棒引清代表)に感謝状を贈った。寺下さんは切目王子の魅力再発見に尽力。げんき工房きよかわ村は地元で開催しているきよかわ市(青空市)を通じて、地域の活性化につなげていることが評価された。

 寺下さんは長年にわたり自費で全国各地に出かけ、切目王子の歴史資料を調査・整理。地元有志で結成している「ふるさとの歴史を学ぶ会」(うらしま会)を通じて、切目王子の素晴らしさなどを発信している。旧跡地である自身の私有地に「切目懐紙なぎのさと公園」を整備するなど私財も投じた地道な活動は、印南町教育委員会の国指定史跡を目指す動きにもつながっている。

 げんき工房きよかわ村は2012年から、地元産品などを販売する「きよかわ市」を開催。清川地域で栽培されている梅「露茜」を使ったジャムなどを販売しているほか、地域外からの出店もあり、他地域との交流の場にもなっている。また、県内外から出場者が集まる梅の里カップボルダリング大会に合わせて開催するなど広く特産品をアピールし、地域の振興に貢献している。

 感謝状の贈呈式は振興局で行われ、寺下さんは「賞をいただいて光栄です。一緒に活動してきたうらしま会の仲間と一緒に喜んでいます。今後も切目王子を勉強していきたい」と話した。

 げんき工房きよかわ村の棒引代表(58)は「地域内の人や地域外の人からも応援していただいた。コロナが収まったら、また大勢の人が来てもらえるように頑張っていきます」、初代代表の中本エミ子さん(72)は「周りの皆さんのおかげでこれまで開催することができました。地域内外から大勢の人が買いに来てくれて、感謝しています」。

 中村局長は「長年、地域振興に頑張っていただいた。これからも地域のために尽力してください」と述べた。