先日、美浜町浜ノ瀬で区民を対象に、地域の避難場所をウオーキングで巡る「防災さんぽ」が行われ、取材した。

 区長さんは「一番の目的は、新型コロナの影響で外出を控え、低下してしまった体力を改善するため、少しでも運動する機会をつくること」と話しており、地区内の2つの避難タワーと松原地区高台、田井畑地区に昨年秋に完成した避難タワーを、津波時以外は避難所となる住民会館をスタート、ゴールにして約3㌔歩いた。避難階まで上るので、運動量はしっかりあり、十分「一番の目的」を果たしていた。

 参加者に話を聞いてみると、同じ地区に住んでいても、高台が最寄りの避難場所になるので、タワーは初めて上ったという人もおり、普段は出入り口が施錠されているタワーに上るいい機会になっていた。浜ノ瀬は細い路地も多く、大地震が発生した場合どういう状況になるのか想像力を働かせ、倒れそうなブロック塀など危険な場所はないか、避難路として問題はないかと確認しながら歩いたと言う人もいた。サイレンを鳴らし、避難場所まで何分で行けるかが把握できる訓練とは異なり、気をつけて歩いてみなければわからないことも多く、こういう訓練もあるのだと納得。そして、ほかの地域の避難場所を確認できるという利点も大きい。災害はどこにいるときに起こるか分からない。よく通る、よく行く場所があれば、最寄りの避難場所がどこにあるのか知っておくことは大切で、行かない場所でも知っておいて損はない。

 防災さんぽはいろいろな利点があり、よくできていると改めて実感し、全国で実施されているのも納得。美浜町には上田井地区に新たな避難施設も建設されるので、またいい散歩コースができそうだ。(陽)