写真=オンツツジを植樹する仁坂知事㊨と稲原中生ら

 印南町印南原、稲原さんぽ道の会(谷章資会長)のオンツツジ植樹会が23日、段々花畑園で開かれ、地元住民や中学生、町外の親子連れら約100人が参加した。県の新政策「未来を彩る花の郷づくり事業」の補助を受け、オンツツジの幼木150本を植樹。仁坂吉伸知事も参加し、「和歌山県の新名所になれば」と期待を込めていた。

 県の未来を彩る花の郷づくり事業は花の名所をつくろうと今年度から始まった仁坂知事肝いりの取り組みで、県内で5団体が採択されている。日高地方で唯一の採択となった稲原さんぽ道の会は、地元住民でつくる地域活性化団体。これまでJR稲原駅から西1・1㌔にある段々花畑園にアジサイ50本をはじめサツキ、ショウブ、サクラ、キンポウジュなどを植栽。毎年6月にはあじさい祭り(昨年はコロナで中止)も開催しており、今回、オンツツジを植樹することになった。

 同駅前ではオープニングセレモニーがあり、谷会長が「きょうは知事にも来ていただき、会員一同喜んでいます」とあいさつ。仁坂知事は「50年後もみんなが花を楽しみにしている、そんな名所になればと花の郷づくりのプロジェクトを進めている。オンツツジは紀伊半島が自生の東限。花の名所と言えばサクラやモミジと決まっているが、オンツツジという選択は素晴らしい。花は毎年咲くので、その時はみんなが集まり、お弁当を食べる場になれば」と述べた。日裏勝己町長は「さんぽ道の会がこれまで行政の力を借りずコツコツやってきたのはすごいこと。関係者の努力に感謝したい」とした。

 このあと、参加者たちは段々花畑園まで歩いていき、途中の休憩所では御坊市御坊の尾﨑秀樹さんと助手の森本恵都君(名田小学校5年)のマジックショーを楽しんだ。段々花畑園到着後には植樹の記念碑がお披露目され、稲原中の坂井孝成君(2年)と寺西杏未さん(1年)から仁坂知事に、この地で自生していたオンツツジの幼木が寄贈された。植樹では参加者がそれぞれ高さ1㍍ほどの幼木を丁寧に植えて、スコップで土をかぶせてしっかり根元を固めたあと、自分の名前を書いた竹の杭を設置した。父親と一緒に参加した日高川町、江川小の古屋咲妃さん(5年)と弟の幸暉君(2年)は「オンツツジの植え方が分かりました。きれいな花を咲かせてほしいと思います。その時は見に来たいです」と話していた。

 オンツツジは美しいピンクの花をたくさん咲かせる木。徳島県吉野川市などが名所として有名だが、和歌山県内に大きな名所はない。さんぽ道の会では、5月の開花時期にウオーキングイベントなども計画している。