写真=コロナ禍も走り続ける宮井紀行(昨年の鹿児島アリーナ)

 美浜町出身で鹿児島を拠点に活動しているシンガーソングライター宮井紀行が、アルバム制作と同時に初の短編小説の執筆にチャレンジしている。どちらも「一番星」というタイトルで、いまだ終息しないコロナ禍にもがき苦しむ自身の思いと、自分と同じ道を選んで上京した後輩の姿を重ね、「夢をあきらめず、一緒に頑張っていこう」というメッセージ。アルバム制作やライブ活動等の支援として、クラウドファンディングで資金協力を呼びかけている。

 宮井紀行は1998年、鹿児島の大学の友人とフォークユニット「なまず」を結成。01年にメジャーデビューを果たしたが、05年に解散。その後、鹿児島に戻ってソロ歌手として活動を始め、これまでアルバム6枚を発表している。デビュー20周年の昨年1月、インディーズとしては異例の単独アリーナライブに挑戦し、鹿児島アリーナ(現西原商会アリーナ)に3000人以上を動員した。

 しかしその後は国内外のコロナ拡大に伴いライブ等が制限され、春以降の全国ツアーは断念。ライブは配信が中心となるなか、「いまの自分にできること」を模索しながら、精力的に楽曲の制作・提供を続けている。

 7枚目のアルバム「一番星」は、自分と同じ歌うたいの道を歩む後輩へのエールを込めて作ったタイトルナンバーのほか、コロナ禍が続くなかで生まれた曲、配信リリースした曲、ふるさと和歌山のローカル鉄道(紀州鉄道)をうたった「日本一短い紀州トレイン」など9曲を収録。5月の発売に向けて現在、レコーディングを進めており、さらに新たな挑戦として短編小説「一番星」も執筆している。小説はたまたま集められた20代から60代の世代の違う男たちがバンドを組み、音楽を通じて絆を深めながらコンテストに挑むストーリーになるという。

 クラウドファンディングのプロジェクト名は「音楽の力で日本中に元気を!!  シンガーソングライター宮井紀行の一番星プロジェクト」。支援の種類は一口1000円のAコースから50万円のJコースまで10コースあり、B(2000円)は短編小説と直筆礼状、C(3000円)はアルバムと直筆礼状、G(5万円)は年末のワンマンライブ当日リハ見学、プレミアム指定席、打ち上げ招待となっている。

 宮井紀行はファンに向け、「コロナでミュージシャンや音楽関係者も大変な局面を迎えるなか、いまの自分にできることを考えながら、2つの『一番星』の制作を続けてきました。コロナ終息の向こうに大きな一番星を輝かせ、全力のパフォーマンスを生で皆さんに見ていただきたい。そういう思いでこのプロジェクトに挑戦しました。」と話している。