写真=あやとりに夢中になる参加者

 みなべ町が認知症予防の一環で今年度から初めて取り組んでいる「思い出話の会」が好評だ。今月14日からスタートし、3月まで全6回行う事業。28日には第2回が開かれ、今回は「子どものころの遊び」をテーマにフリートーク。持参したあやとりやお手玉を手に、子どもの頃にタイムスリップしたように、童心に帰って笑顔いっぱい楽しむ姿がみられた。

 思い出を誰かに話し伝えることで普段は眠っている記憶がよみがえり、脳が活性化することで認知症予防やうつ症状の改善に効果があるといわれていることに着目し、初めて取り組むことになった。自分の人生を振り返るきっかけになったり、自分を語るということにリラクゼーション効果があり心の健康の向上にもつながると期待されている。

 65歳以上を対象に昨年12月に参加希望者を募集し、65歳から80歳の女性10人が集まった。6回のうちに幼少期、青年期、現在、未来と段階を踏んで記憶をたどっていくことになっており、第1回は幼少期をテーマに記憶を回想。「汲み取り式のトイレ掃除では、桶へ入れて畑にまいた」など昔話に花を咲かせて盛り上がった。

 2回目はまず、2人1組になって互いに誉め言葉を交換。マイブームについて1分間紹介しあったあと、今回も幼少期をテーマに子どものころの遊びについてトークを展開。「体が弱くて外で遊べなかったので、家の中で人形遊びをしていた」「子どものころは、あやとり、ビー玉、メンコでよく遊んだ」などと鮮明な記憶がよみがえり、昨日のことのように話しながら実際にあやとりをして夢中になっていた。

 町内の女性(79)は「昔のことがはっきりと思い出されます。頭の隅にあったことがよみがえってきて、すごく楽しい気持ちになります。こんな機会を作ってくれてありがたいです」と笑顔で話していた。