写真=贈られた救急車を背に左から古林会長、三浦市長、本田消防長

 一般社団法人日本損害保険協会は25日、救急体制強化活動の一環として、御坊市消防本部に高規格救急車を寄贈した。従来型の救急車に比べて広い車内空間を備え、傷病者の振動を軽減させるための防振架台や救急救命士らが高度な処置を行える最新鋭の設備を搭載。湯川町財部の消防本部で受納式が行われ、隊員がデモンストレーションを披露した。

 寄贈は同協会が自動車損害賠償責任保険(自賠責)の運用益を活用し、自動車事故被害者の保護の増進に向けた救急医療体制の整備を目的に実施。1971年度から毎年、これまで1675台を贈っている。91年度からは救急救命士制度の発足に伴い、従来型に替わってより高度な救急医療機器を装備できる高規格救急車を寄贈。今年度は御坊市消防本部を含めて全国で5台を贈った。

 受納式は消防本部屋内訓練室であり、同協会和歌山損保会の古林幸二会長(東京海上日動火災保険株式会社和歌山支店長)が「ぜひとも地域の救急救命活動と市民の皆さまの安全で安心な生活のために大いにお役立てください」とあいさつ。三浦源吾市長に目録、本田敏文消防長にレプリカキーを手渡した。

 三浦市長は感謝状を贈り、「進展する少子高齢化のなか救急需要が増加し、また、市の財政事情が厳しいなか大変ありがたい」とお礼の言葉。「有効に活用させていただくとともに、一層の救急体制充実を図り、市民の安全安心の確保に努めたい」と述べた。

 続いて車庫内でデモンストレーションがあり、隊員が寄贈された救急車を使って救急活動を展開。古林会長や三浦市長ら出席者を前に、交差点内での交通事故を想定し、現場到着から車内収容までを披露した。

 寄贈車両はトヨタのハイメディック4WDで、定員7人。傷病者に安心感を与えるという青のラインが車体に入っている。防振性に優れた「磁気ダンパー式防振架台」、後部や後部左側に視認性とプライバシー保護を両立する「調光ガラス」を装備しているほか、患者監視装置や自動体外式除細動器の最新鋭資機材を搭載。市消防は3台ある救急車のうち、老朽化した1台と入れ替え、同日から運用する。