政府は新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて7日、首都圏の1都3県に緊急事態宣言を出すことを決める方針。関西広域連合はひと足早く5日、府県民に対して1都3県への往来や成人式後の会食などを控えるよう呼びかけた。和歌山県でも年末年始(12月26日~1月5日)で延べ87人の感染を確認、5日には一日当たり過去最多の17人の陽性が判明するなど、和歌山市内、若者層を中心に急速に広がっている。

 政府が緊急事態宣言の対象にするのは東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県。各知事から緊急事態宣言を出すよう要望が出ていた。

 和歌山の仁坂吉伸知事が連合長を務める関西広域連合では5日、感染症対策本部会議を開き、関西の感染状況を見てただちに首都圏のように緊急事態宣言を求める状況にはないものの、感染者が多い大阪、兵庫、京都の3府県の推移を見ながら対応を検討することを確認。府県民に対しては1都3県への往来、感染が拡大している地域への不要不急の外出、成人式など行事の前後の会食を控える緊急宣言を採択した。

 和歌山県での感染状況をみると、年末の26日から29日まで2、3人で推移していたが、30日が7人、31日が9人となり、年明けは1日13人、2日11人、3日12人と3日連続で2桁。4日は9人だったが、5日は17人で、一日あたりの感染発表者数としては11月19日の15人を上回り、47日ぶりに最多を更新。この11日間の累計は87人で、地域別内訳は最多の和歌山市が54人、次いで県外14人、岩出保健所管内7人、橋本保健所管内5人、御坊保健所管内3人、田辺保健所管内2人、海南保健所管内1人、湯浅保健所管内1人。また、県は26日から4日まで10日間の感染者70人のうち、濃厚接触者28人を除いた陽性者42人について感染経路を分析しており、感染が拡大している県外からの持ち込みが約6割。県外の内訳は大阪府12人、兵庫と愛知県が各3人、神奈川県と京都府が各2人、東京都、栃木、広島県が各1人。年代別でみると20代が12人(29%)で最も多く、30代が5人(12%)、20歳未満が4人(9%)となっており、30代以下で全体の半数を占める。最も少ないのは80歳以上で1人(2%)。

 県は年末年始の帰省や若者の間で感染が拡大していることに警戒感を表し、「複数が集まっての会食などを特に控えるように」と啓発している。