新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受ける全国のパチンコ業界では、お客に安心して来店してもらえるよう、ホールの感染症対策を徹底。県内4カ所、日高地方では御坊市野口に店舗を構える株式会社ダイナム(本社・東京都)でも以前から消毒やマスク着用などの対策を行っているが、冬場の感染拡大防止へさらに自動検温装置とオゾン発生装置を全店に導入するなど、対策を強化している。

 パチンコ業界では各店舗で感染症対策を行っており、いまのところクラスターが発生していない業界の一つでもある。しかし、コロナの影響は大きく、ダイナムでも4月頃には各都道府県知事からの営業自粛要請に対応し、対象地区の全店舗で一時休業を余儀なくされた。5月上旬以降は感染症対策を万全にして営業再開しているが、依然、営業収入は前年比70~80%の水準に留まっている。

 ダイナムではこれまでも台と台の間に透明な飛沫感染防止ボードを設置するなど、パチンコ・パチスロ産業21世紀会が制定する「パチンコ・パチスロ店営業における新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」に基づき対策を徹底。今回、さらに全国46都道府県404店舗に非接触の自動検温装置を設置。37・5度以上の発熱がある場合はモニターに赤枠で表示され、警告音が鳴る仕組み。また、密になりやすくマスクを外す必要がある喫煙ルームにはウイルスなどの除菌に効果があるとされるオゾン発生装置も導入している。今後は光触媒による遊技台と関連設備の除菌コーティングも行う。

 和歌山御坊店の平田誠隆店長(39)は「何が何でもクラスターを発生させないよう、できる対策は全て行っています。コロナ禍の新しい生活様式の中で、収益だけを考える営業はもはや成り立ちません。お客さまも従業員も安心できるホールを目指します」と話している。

写真=入り口に設置された自動検温装置(ダイナム和歌山御坊店)