農業や食への思いや体験、提言をつづる第48回毎日農業記録賞の入賞作品が発表され、高校生部門で南部高校食と農園科3年の林愛純さんが県内で唯一の入賞となる優良賞に選ばれた。

 林さんは「パン屋さんが原点」をテーマに応募した。「今の私があるのは子どもの頃、近所のパン屋さんのガラス越しに見た風景が、原点です」という書き出しで、従業員の大きな手の中でパン生地が形をなしていくことが今でも印象に残っているという。パン作りができるという好奇心から南部高校を進学先に選んだこと、新しい実習棟が完成して食パンづくりを初めて経験したときのうれしかった思い、今年2月に開かれたUME―1グルメ甲子園では多くの人の前で調理することを経験し、子どもたちから「お姉ちゃん、上手」という声をもらって頑張れたことなど率直な思いを文章にし、「幼いころに見たパン屋さんの従業員さんのようなキラキラした人に、私はなります。そして私を見て、パン職人を目指してもらえるような技術を身につけていきます」と締めくくった。

 入賞の知らせを受けた日、田辺市内のパン店から内定の連絡も入り、二重の喜びだったといい、「南部高校でのいろんな体験で、パン職人になりたい気持ちがますます強くなりました。自分が考えたパンを作って、食べた人が喜んでくれるとうれしい。人を喜ばせられるパン職人になります」と話している。

写真=優良賞に笑顔の林さん