日本食品衛生協会の2020年度理事長表彰の受賞者が決まり、食品衛生功労者として日高地方から唯一、印南町印南、今又旅館経営の今井律子さん(60)が選ばれた。母から引き継いだ旅館経営は30年近くになり、この傍ら、日高食品衛生協会の食品衛生指導員として地域の食品衛生の向上にも貢献。県食品衛生協会表彰受賞の3個人1施設とともに、21日午前11時半から、御坊保健所で伝達式が行われる。

 今井さんは母が1960年頃から経営していた今又旅館(旅館の前は食堂)を92年から引き継ぎ、おかみとして客をもてなしている。県外からイセエビやクエ料理を食べに来る常連客も多いが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため、3~6月までは思い切って営業を自粛し、厳しい経営状況も続いた。その後は消毒などの感染症対策を万全にし、密を回避するため人数制限もしながら再開。徐々に客足も戻ってきた。食品衛生指導員には2007年に任命され、現在まで13年間にわたり、夏の一斉巡回指導をはじめ、保育園・小学校での手洗い教室などにも熱心に取り組んでいる。

 受賞について「協会員の日頃の協力により、このような光栄な賞をいただけることになり、大変恐縮しています。『食』は人にとって不可欠なもの。昨今は感染症を含む多岐にわたる問題にも直面し、決して安易な営業や職業ではありません。私も研さんを怠らず、前向きに取り組んでいきたいと思っています」と話している。
 県食品衛生協会の表彰は次の皆さん。

 【県環境生活部長表彰(食品衛生功労者)】坂田貢一(由良町衣奈、美奈都旅館)=2007年から食品衛生指導員に任命され、同年から日高食品衛生協会理事、14年から同協会副会長【県食品衛生協会会長表彰(食品衛生功労者)】畑木正三(御坊市湯川町小松原、株式会社花ご坊)=1977年から花ご坊前身の御坊観光センター調理師として入社し、現在は料理長。2010年から日高食品衛生協会副会長【県食品衛生協会会長表彰(優良施設)】MIHARU(美浜町田井、西川千明店主)=1956年創業、88年に現在の場所に移転。2013年には県環境生活部長表彰(優良施設)も受賞【県食品衛生協会会長表彰(指導員)】細尾千惠子(日高川町高津尾、飯盛)=2014年から食品衛生指導員として活躍