障害を克服し、生き生きとした社会生活を送っている障害者(チャレンジド)をたたえる県の第18回紀の国チャレンジド賞で、日高地方から美浜町和田の山本浩司さん(58)が自立更生者賞を受賞する。12月4日午前11時から、県庁で授与式が行われる。

 障害者の自立と社会参加の促進、ノーマライゼーション社会の実現を図るため、2003年度から実施。今年度は紀の国チャレンジド賞で自立更生者賞の2人、チャレンジ賞の3人に知事賞、障害者の社会生活を支えている人への紀の国チャレンジド・サポート感謝状で更生援護功労者の4人、ファミリーサポート功労者の1人に知事感謝状が贈られる。

 山本さんは1985年に東海大学工学部建築学科を卒業。建設会社へ就職して1年に満たない翌86年1月、赴任先の東京で交通事故に遭い、右半身麻痺になったが、懸命のリハビリを経て、自立生活が可能な状態まで回復した。

 90日間の入院後、帰郷し、父好郎さん(88)が経営する土木建築業の有限会社山本工務店に勤務。1級土木施工管理技士や2級建築施工管理技士の資格を取得し、技術や知識の向上に努めている。

 また、美浜町の身体障害者福祉連盟会長や身体障害者相談員を務め、地域の障害者福祉向上に尽力。学生時代にサッカーの経験があり、いまでも趣味のスポーツ観戦を楽しんでいる。

 受賞に「驚いています。私でいいのかという思い。支えてくれる家族や障害があっても付き合いをしてくれる友人、地域、仕事関係の皆さんら、関わりのある全ての人に感謝です」と話し、「まだ障害者が蔑視されるところがあります。何でも一緒の輪に入れる社会になれば」と願っている。

写真=「皆さんのおかげ」と山本さん