前回の小欄で楽しみな駅伝シーズンが到来したと書いたが、ここ数日でうれしい知らせと残念な知らせがあった。うれしかったのは、県内の小中学生がたすきをつなぐ県市町村対抗ジュニア駅伝が開催されることが正式に決まった。コロナ感染対策として開始式や閉会式をなくし、表彰式も必要最小限の人数で行う。ジュニア駅伝に向けて各市町とも11月や12月からチームを結成し、数カ月かけて鍛錬を積み、本番に臨む。長期間になるが、走力だけでなく、チームワークや多世代の交流など人間力が高まる機会として貴重な時間となるだろう。

 残念な方は、毎年1月に開催されている日高地方駅伝が中止されるという。56回の歴史があり、市町対抗戦で、小学生と大人がたすきをつなぐ。今年1月に開かれた第56回では、フルマラソンでサブ10(2時間10分を切ること)を2度記録した日高地方出身の名ランナー濵野健選手が由良町のふるさと選手として出走し、区間賞で4人抜きを披露するなど大いに盛り上がった。陸上を頑張る子どもたちの大きな目標の一つが中止されるのはやはり残念である。

 憎きはコロナウイルス。多くのスポーツ大会を中止に追いやり、猛威はいまだ衰えない。不安の中でモチベーションを上げるのは難しい面もあるが、それぞれの目標を失わないでほしい。例え目標にしていた大会が中止となってしまっても、重ねた努力は必ず自分の力になる。感染リスクを減らす対策はもちろん、こんな困難な状況の中でも目標を持って頑張ることこそが、コロナに打ち勝つということになるのではないか。スポーツでも勉強でも、こんなときだからこそ大いに夢や目標を持とう。    (片)