優秀な技能・技術を持ち、後進の指導・育成に多大な貢献をしている優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)が決まり、県内は11人、日高地方からは印南町印南原、株式会社竹平建設の主任技術者竹平一彦さん(65)が選ばれた。国家資格の1級土木施工管理技士などとして、長年にわたり土木工事の現場に出て安全管理の徹底などに努めていることが評価された。

 竹平さんは1978年3月、日本大学生産工学部土木工学課を卒業し、同年4月から、父で現社長の昇夫氏が立ち上げた竹平建設に入社。89年3月に1級土木施工管理技士、90年2月に2級管工事施工管理技士、98年1月に2級建築施工管理技士、2002年7月に測量士、12年2月に2級ビオトープ施工管理技士の資格を取得し、多彩な技能を持った技術者として、県や町発注の公共工事を主体に、現場の第一線で活躍している。

 2011年の台風12号に伴う紀伊半島大水害の際には、大雨が降る中、切目川へ土のう積みに行ったり、土砂の撤去にも力を尽くし、翌年からは災害復旧工事にも携わった。現在は印南漁港でテトラポッドを製作している。

 今回の受賞に際して「高校時代から父の後を継ぐ決意をし、この仕事をしていますが、きょうまで無事に勤めさせていただいたのは、発注者や地域の皆さま、同僚、関係者の支えのおかげです」と感謝。「長年仕事をともにしてきた義理の弟(大江哲司さん、享年62)が昨年亡くなりました。この受賞は一緒にいただいたようなもので、天国で喜んでくれていると思います。弟の分まで、体の続く限り頑張りたい」と張り切っている。

 例年、顕彰式典が行われているが、今年は新型コロナウイルスの感染予防で中止となっている。

写真=事務所で受賞の喜びを語る竹平さん