由良町のJA紀州ゆら柑橘選果場で4日から、極早生のブランドミカン「ゆら早生」の選果、出荷作業がスタート。20日ごろをピークに11月初旬まで東京、大阪、福島などに出荷される。

 7月下旬まで続いた梅雨の影響で、今年は低糖が心配されたが、8月の日照で糖度が急上昇し、「例年にないくらいの甘み。ゆら早生らしい酸味とのバランスもよく、申し分のないおいしいものができている」と同選果場運営委員の川口拓洋副委員長。ゆら早生の中でも糖度11%以上に限定した商品「ゆらっこ」は全体の5割以上を占める出来で、8月に雨が少なかった分小型傾向だが玉数は多く、今シーズンの出荷量は例年並みの380㌧を見込んでいる。

 今年は新型コロナの影響で、例年、初売り時に東京大田市場で行っていたトップセールスは行わず、市場や店頭での試食販売もできない状況。川口副委員長は「試食すれば、おいしいことが分かり買ってもらえるが、今年は販売手法が課題。PR動画を作ったので、YouTubeで公開したり、店頭で流したりし、購入意欲につなげたい」と話していた。

 「ゆら早生」は、1985年に同町で栽培していた「宮川早生」の枝分かれとして発見。地元生産者が品質改良を重ねてきた品種で、全国のスーパーマーケットや仲卸業者の人気果物ランキングで毎年ベスト3に入る不動の人気を誇っている。

写真=選果機を次々に流れるゆら早生