任期満了に伴うみなべ町長・町議ダブル選挙が29日告示され、町議選は定数14に対して予想通り現職12、新人3の15人が立候補(正午現在)し、5日間の舌戦がスタートした。町長選の立候補は現職小谷芳正氏(71)=筋=だけで、4期連続の無投票当選が濃厚。新型コロナの感染予防対策を徹底した中での選挙戦となり、集会やスキンシップを控えるなか、有権者の反応がつかみづらい選挙戦となりそうだ。

 届け出の受付は午前8時半から役場で行われ、各陣営とも手続きを済ませたあと事務所に帰り、候補者が出陣式で第一声。街宣車に乗り込んで「お願いコール」を響かせた。今回は新型コロナ禍というこれまでにない選挙戦で、各陣営ともマスク着用、消毒を徹底。出陣式も積極的に人を集めずに行う陣営が多く、運動も街宣車を降りてのスキンシップやたくさんの人を集めての集会を控えており、街宣車を走らせるのが中心となっている。

 過去の選挙を振り返ると、2004年10月、旧南部町と南部川村の合併でみなべ町が誕生して以降の町議選はいずれも選挙戦が行われている。04年は定数16に対して20人、定数が現行の14となった08年は15人、12年も15人、16年の前回は17人が立候補しており、今回で5期連続の選挙戦となる。

 目立った争点がなく、コロナ禍もあって盛り上がりは低調だったが、本番に突入して一気に熱気を帯びてきた。有権者からは「基幹産業の梅が動かないと町全体が盛り上がらないので、梅産業の振興が重要。スポーツや防災にもしっかり取り組んでほしい」(自営業の40代男性)、「若い世代が子育てしやすい環境になるよう取り組んでほしい」(30代男性)といった声が聞かれる。

 28日現在の有権者数は、男性4905人、女性5528人の計1万433人。期日前投票は30日から役場3階で行われる。