御坊市湯川町小松原の国道42号(小松原交差点)から東の御坊駅前方面へ通じる県道沿いに、内科、糖尿病内科等のながおクリニック(長尾知昭院長)が開院した。現在は新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、発熱など心配な症状がある人のためにクリニック前に「発熱外来」を設置。新型コロナの抗原検査を受けることができ、15分ほどで結果が分かるという。

 長尾院長(44)は大阪府河内長野市出身。2001年に近畿大学薬学部を卒業、03年に同大学院を修了して薬学修士となり、河内長野市の病院で薬剤師として2年間勤務。「もっと患者の声を聞き、ふれあえる医師になりたい」と思い、高知大学医学部に入学、10年に卒業。大阪南医療センターを経て、13年から田辺市の南和歌山医療センターでドクターヘリにも搭乗する救急救命医を務めた。

 和歌山県の場合はヘリポートのない山間部への出動が多く、現場近くに着陸するドクターヘリではなく現場上空の防災ヘリからロープで降下。最初の出動は龍神村の交通事故現場で、ハーネスを着けて降り、5、6人のけが人をその場で救急処置したのが強く印象に残っているという。

 18年から国保日高総合病院(現ひだか病院)第2内科に勤務。近年患者が増加している糖尿病などを専門に診療したが、「科を超えて患者さんの健康を総合的にみたい。大きな病院を退院した患者の受け皿となり、一人ひとりの患者を見守っていけたら」との思いで、クリニック開院となった。

 設備としては、自動血球計数測定装置、グリコヘモグロビン測定装置、臨床化学分析装置、自動尿分析装置、一酸化炭素ガス分析装置、スパイロメーターなどを備え、血液検査や尿検査も最長15分で結果が分かる。禁煙外来にも対応している。

 発熱外来は、発熱などの症状で新型コロナ感染が懸念される人と待合室を分けられるよう設置されており、抗原検査は「風邪っぽい」など気になる症状があれば2000円前後で受けられる。

 長尾院長は、「志をもって医師となりました。地域の皆さまが安心して生活できるお手伝いをしたいと思っています。『何科に行けばいいのか分からない』という方も、気軽にお越しください」と話している。

 診療時間は午前9時から正午まで、午後は3時から6時半まで。水・土曜は午後休診。日・祝日は休診。問い合わせは同クリニック℡0738―32―0011。

写真=現在は「発熱外来」でコロナ抗原検査もできる