日高町議会は24日、全員協議会を開き、町道改良工事を担当していた産業建設課の課長補佐(46)が文書を偽造するなどし、国からの交付金約7300万円を不正受給していた問題について執行部から説明を求めた。

 同事業は2015年度から高家地内で行われており、既設道路約780㍍を拡幅する工事。課長補佐が担当していたが、橋の設計基準の変更などがあったため工事が予定通りに進まず、工事契約書や工事検査調書を偽造し、18年度からの繰越分で2200万円、19年度で5100万円の交付金を不正に受給していた。

 全員協議会には執行部から松本秀司町長、田中達也副町長、坂本佳史産業建設課長、塩路晴彦総務政策課長の4人が出席し、不正受給に伴う金額の流れなどを説明。議員からは「偽造文書作成に使われた公印の管理状況はどうだったのか」「課内の情報共有はどうだったのか」などと質問があり、町は「公印は総務政策課で保管していた。悪意があれば、不正に押せる状況だった」「情報共有が十分とは言えなかったので、こういうことが起こったのだと思う。今後は個別面談や担当職員との意見交換などを密にしていきたい」などと答えた。

 ほか、対策としては「1つの事業については主担当と副担当を決めているが、主担当1人で事業を進めてしまうことが多い。今後は主担当、副担当の2人が仕事の内容を把握できるようにしていきたい」などとした。職員のコンプライアンス徹底にも取り組む。事業の遅れを心配する声もあり、担当課長は「工事完了まであと2、3年はかかる」と答えた。

 町によると、国への返還金は不正に受け取っていた約7300万円に加え、ペナルティーとしての加算金(年間10・95%)を含めて返金となる。

 松本町長は「職員が一丸となって汗をかいて業務に従事し、町民の信頼回復に向けて努めていきたい」と述べた。