ひとりかくれんぼとは、もともと関西・四国地方において、「コックリさん」と共によく知られる遊びであったと言われている、ぬいぐるみを使って深夜に行う降霊術の一種である。

 やり方は、下準備としてぬいぐるみに名前をつけ、詰め物を全て出して代わりに米と自分の爪を入れて赤い糸で縫い合わせる。

 ぬいぐるみに対して「最初の鬼は○○(自分の名前)だから」と3回言い、風呂場に行き、浴槽にぬいぐるみを入れ、そのまま部屋に戻る。家中の灯りを全て消してテレビだけつけておく。目を瞑って10秒数えたら刃物を持って風呂場に行き、「●●(ぬいぐるみの名前)見つけた」と言って、刃物でぬいぐるみを刺す。「次は●●が鬼だから」と3回言い、すぐに逃げて隠れる。

 物語 高校二年生の真山隆之は気の知れた友人、秋山修平、佐伯哲也、松元一樹とともに放課後の教室で雑談に興じていた。そこでオカルト好きの修平が「ひとりかくれんぼ」の話題を持ち出す。お調子者の哲也は茶化すように笑い、一樹は冷静に修平を諭すが。修平は「じゃあ今日の夜、試してみよう」と提案。隆之たちは渋々承知し、その夜「ひとりかくれんぼ」をするのだったが…。

 同じ降霊術でも「コックリさん」は皆さんしたことがあるのではないでしょうか。私も小学生の頃、友達とした記憶があります。この「ひとりかくれんぼ」は手順が多い上に手軽には出来ないので怖さはこちらの方が格段に上なのでは。

 個人的な話ですが、この小説を読み終えた夜、私が洗面所で歯を磨いているとお風呂場のほうから、ゴトン………、ゴト………っと何やら物音が。家族は皆寝ているはずですが。

 なんて、いえいえ、私の気のせいでしょう。