国土交通省が「海の日」にちなんで行っている今年度の海事功労者等表彰で、みなべ町商工会青年部(楠谷和弘部長)が近畿地方整備局長表彰を受賞。29日には同商工会で伝達式が行われた。1998年から21年にわたり、南部海岸の清掃活動を毎年続けており、地域の環境美化、住民の環境保全意識の高揚にも貢献していることが高く評価された。

 青年部は、地域貢献活動の一環として、98年から海岸の清掃奉仕を始めた。毎年梅の収穫時期前の5月ごろ、青年部員と家族らが参加し、本州最大のアカウミガメの産地である千里の浜や、南部川河口右岸の通称「高浜」でポイ捨てや漂着したゴミを拾い集める活動を展開している。

 当初は「クリーン作戦」として行ってきたが、現在は6月10日の「商工会の日」に行う全国商工会青年部の統一奉仕活動「“絆”感謝運動」の一環として実施。今では青年部だけでなく、町議会議員、町職員、地域住民らも協力している。活動は地方新聞等を通じて広くPRされ、環境を守る意識高揚にもつながっている。今年度は新型コロナの影響で5月には行わず、11月上旬に予定している。

 海事功労表彰は、海の環境保全等に取り組んでいる個人、団体、企業などを毎年表彰している。今年度の近畿整備局長表彰は3団体だけで、県内では同商工会が唯一の受賞となった。

 表彰式は本来、神戸市の近畿整備局で行われるが、コロナ禍で伝達に変更された。伝達式は商工会3階で行われ、楠谷部長、宮本康平副部長、平順次事務局長、尾田賢治顧問の4人が出席。和歌山港湾事務所の松葉秀樹所長が楠谷部長に表彰状を手渡し、「地域の環境美化に貢献し、活動をPRすることで地域住民の意識を高めることにも取り組んでいただき、心から感謝します」とたたえた。楠谷部長は「受け継いできてくださった先輩方に感謝しながら活動を継続し、次の世代に引き継いでいきたい。部員に限らず、興味のある人は一緒に参加してほしい」と話した。

写真=松葉所長㊧から表彰状を受け取った楠谷部長㊨