28日昼、日高川町松瀬地内の日高川で、川遊びをしていた男性が行方不明になり、安否が気遣われている。日高川は先日からの雨と椿山ダムの放流で増水しており、御坊署や日高広域消防が水難事故の可能性が高いとみて懸命の捜索を行っている。

 行方不明となっているのは、大阪市平野区の自営業の男性(52)。御坊署によると、男性は妻(52)と飼い犬のゴールデンレトリバー1匹とこの日午後2時ごろ、松瀬橋下流約500㍍の河川敷に車で到着。犬が水に入るなどして夫婦で川遊びをしていた。

 3時30分ごろ、河川敷に止めていた車に一旦戻ったが、犬がまだ遊び足りなさそうだったため、男性と犬が再び川へ行き、妻は車で休憩していた。4時30分ごろ、犬だけが車に戻ってきたため、心配になった妻が付近を捜したが見つからず、近くで農作業をしていた地元住民に助けを求め、一緒に玄子駐在所へ行って6時5分に御坊署へ通報した。

 署員と日高広域消防が出動して捜したが見つからず、日没のため翌29日朝から捜索を再開。現場から下流へ向けて県警機動隊アクアラング隊と日高広域消防潜水隊が水中から、広域消防はボートやドローンも使い、町消防団から地元の2分団が出動して付近を捜索。県警ヘリと県防災ヘリも空から捜しているが、正午現在見つかっていない。

 男性と妻は今年5月にも同じ場所に来たことがあった。現場は川幅が約140㍍あり、29日朝の時点では川の流れは右岸寄りに川幅の半分ほど。椿山ダムによると、28日未明の雨の影響で同日午前8時から最大で114㌧の小規模放流を続けており、平常時に比べて増水、現場周辺でも流れが少し速くなっていた。

 男性が川に入っていたかなど目撃情報はないが、現場の状況から犬と一緒に入って流された可能性が高いとみて、現場下流域を中心に捜索が続いている。

写真=潜水隊やヘリも出動して現場周辺を捜索