みなべ町が東吉田と南道にまたがって工事している防災拠点エリアに、新しく幼保連携型認定こども園「みなべ愛之園こども園」が整備される。南海トラフの巨大地震による津波被害を懸念し、海岸沿いにある愛之園保育園、南部幼稚園、南部保育所の3園を1園に統合し、施設の建設、運営は社会福祉法人イエス団愛之園保育園が行う。建設場所の造成工事は完了しており、夏に入札、秋ごろに着工し、2022年4月開園を目指す。

 町では、安全安心な子育て環境の整備として、津波被害が心配される3園の高台移転を計画し、2018年度から具体的に検討してきた。

 移転場所は防災拠点エリアの最上段、海抜22㍍の高さにあり、約1万平方㍍の敷地北側に園舎、南側に園庭と駐車場などを整備する。園舎は鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積約2347平方㍍、園庭は約2100平方㍍の広さを確保する。

 幼稚園と保育園の一体的な提供を行い、保護者の就労状況などを問わずに柔軟に子どもを受け入れる認定こども園とする。運営は1928年から愛之園保育園を営むなど実績がある同保育園が行う。民間団体が整備、運営を行うことで国の資金や制度を活用でき、統合により創出された財源を子育て支援事業全般の充実につなげられるメリットがある。

 定員は0歳から6歳児まで160人。計画では、保育室11部屋のほか、遊戯室兼ランチルーム、一時預かり保育室、児童発達支援室などを設ける。壁にはクライミングウォールを設置して体力づくりに活用し、0~2歳児保育室には床暖房を整備。屋外テラスはひさしを長くして雨の日でも遊べるようにする。休日の園庭開放なども行っていく方向で調整している。災害発生時には一時避難場所、配慮が必要な人の福祉避難場所としても活用する。町では園の隣接に子育て世帯の交流施設となる子育て支援センターの整備も計画している。

 教育や保育内容等は今後、教育長や幼児教育室長、統合する幼稚園、保育園長らでつくる「新こども園開設連携調整会議」で検討していく。

写真=新こども園の完成イメージ図