御坊署は、2019年中の管内刑法犯認知件数をまとめた。総数は231件で前年比12件減少したものの、うち車上狙いが27件で21件増加。27件全てが無施錠で、墓参り中に被害に遭うというケースが目立った。また、県内市町村別犯罪率で御坊市がワースト1位。警察は引き続き警戒を強化し、犯罪抑止に力を入れていく。

 御坊署管内認知件数のうち、街頭犯罪は124件で20件増加。重要犯罪は1件で2件減り、侵入盗は12件減の20件だった。最も多かった罪種・手口は、自転車盗の38件(4件増)。車上狙いが2位になり、万引きが23件(9件減)で続いた。

 主な増加は車上狙いが最多で、暴行(22件)が15件増、賽銭狙い(6件)が6件増、空き巣(11件)と出店荒らし(6件)が5件増。主な減少は倉庫荒らし(0件)で17件減、色情狙い(5件)で14件減、器物損壊(19件)で13件減となった。

 車上狙いは4月から5月や年末にかけ、墓地で近くに止めた車から、5~10分程度離れた隙に、車内の現金が盗まれるという事件が多発。自転車盗は御坊市を中心に発生し、車上狙いの被害は100%、自転車盗は約70%が無施錠だった。

 人口1000人当たりの件数でみる犯罪率は、御坊市が6・59でワースト1(前年5・82で4位)。ほか御坊署管内は美浜町が3・90で8位(3・52で12位)に悪くなり、日高町が1・96で21位(3・52で11位)、由良町が1・84で23位(3・14で16位)、印南町が1・81で24位(2・26で23位)、日高川町が0・74で30位(1・35で30位)によくなった。

 同署は「街頭監視の強化や自主防犯組織の皆さんらの熱心な活動のおかげで刑法犯は減少し、また、地域や住民の皆さんの防犯意識も高くなっており、今年も関係機関と連携しながら一層の犯罪抑止に努めていきたい」とした上で、「増加した車上狙いは全て、自転車盗は7割が無施錠のときの被害。警察もパトロールを強化していますが、少しの時間でも油断せず、鍵をかけることで防げる被害もありますので、自主的な防犯対策をよろしくお願いします」と呼びかけている。

写真=墓参りの車には必ず鍵をかけて