学校や地域が取り組む優れた防災教育を顕彰する「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)の受賞校・団体が決まり、日高高校が特別賞の「URレジリエンス賞」を受賞。地域ぐるみで行ってきた防災訓練が評価された。ほか、印南中学校も奨励賞に選ばれ、両校とも来年1月12日、神戸市で表彰される。

 今年度は小学生、中学生、高校生、大学生、特別支援学校・団体の5部門に計118校・団体の応募があり、グランプリをはじめ各賞が選ばれた。

 日高高校は2014年、高校主体としては県内で初めて地域を巻き込んだ防災訓練を実施。同校の生徒、附属中生のほか、周辺住民や小学生、保育園、幼稚園児らも対象とし、計1000人以上が同校の3階以上の教室に避難。避難後は、煙体験や段ボールを使った間仕切り、避難所運営ゲームなどで、防災についてのさまざまな体験ができる防災スクールを実施した。取り組みは15年以降も毎年実施しており、継続的な取り組みも評価された。

 同校は「地域の皆さんと一緒に取り組んできたことがこのように評価されて、大変うれしく思っています。これからも引き続き実施していきたい」と話している。

 印南中では3年生が防災学習に取り組み、太陽光を集めて湯を沸かしたり、料理をしたりする「太陽傘」の研究が評価された。傘の裏側にミラーフィルムを張り、反射した光の焦点の熱を利用。すばる望遠鏡などの開発に携わったエンジニア福寿喜寿郎さん(兵庫県)の指導を受けながら試行錯誤し、350㍉㍑入りアルミ缶の水を約15分で沸騰させることに成功。従来のソーラークッカーなどに比べ短時間で沸くメリットがあるという。

 担任の浦千寿さんは「身近な傘を使って環境や防災を考えるいい機会になりました。研究はまだ道半ばで、次の3年生に引き継いでいってほしいです」と話している。

写真=日高高生と園児らが合同で避難(写真は2017年11月)