日高町小中、日高中学校東にある社会福祉法人太陽福祉会の就労支援事業所「パン工房 サンフルひだか」が、素材と味にこだわった新たな食パンを売り出した。やわらかく、何もつけずにおいしい高級生食パンがブームとなるなか、地元のハチミツ、天然塩を使用し、ほんのりとした甘さと香り、もっちりとした食感が人気。利用者が一本一本、真心こめて焼き上げている。

 サンフルひだかは2005年7月、障害のある人たちが働く就労継続支援B型の事業所としてスタート。6年後の11年には敷地内に焼き菓子とケーキのショップ「プランソレイユ」もオープンし、現在は24人の仲間がパンや菓子を作り、工房と御坊市内のスーパーなどで販売している。

 パンは人気の山食(やましょく=山型の食パン)、角食(かくしょく=四角い食パン)をはじめ、メロンパンやクロワッサン、クリームパンなど約50種類。焼き菓子ではきしゅう君の肉球をイメージしたケーキやクッキー、ラスク、バターケーキなど約20種類を製造・販売している。

 今回は施設の売り上げと働く仲間の収入アップを目指し、来月11~13日の開店14周年記念セールの目玉商品として、素材とおいしさにこだわった生食パンを開発。原材料には日高川町産のハチミツ、御坊市の菜の花共同作業所で作られる釜だきの塩「塩屋の天塩」を使い、生地のこね上げの温度や水の量、焼き上げる温度、時間など試行錯誤を繰り返し、耳までやわらかく、リッチなのどごしと口どけが特徴の生食パンが完成した。

 大きさは普通の食パンよりひと回り小さい約9㌢角で、1本の長さは約18㌢。値段は税込み500円。毎週水・金曜の2日、工房のほか、御坊市の産直市場よってってごぼう店(藤田町吉田)とスーパーデリシャスヒロ御坊店内の花野果市(湯川町財部)でも販売しており、14周年記念セールでは目玉商品として、他のパンや焼き菓子と同様、特価で販売する。

 高級生食パンブームのなか、施設関係者は新たな人気商品にと期待。開発に携わったスタッフは「いまはまだ小さなサイズで、週に2回しか販売できていませんが、近いうちに毎日販売できるようにし、大きいサイズ(11㌢角で長さ23㌢)も販売したい。ぜひ一度、このおいしさを味わってください」と話している。

 営業時間は午前9時から午後5時まで。日・月曜が定休。問い合わせはサンフルひだか℡0738―63―1888。