4日夜、美浜町吉原の無職田中俊章さん(46)方から出火。日高広域消防と地元消防団が出動し、火は通報から約1時間後に消し止められたが、鉄骨プレハブ平屋建て約30平方㍍を全焼した。現場は住宅の密集地だったが類焼はなく、また、田中さんは外出しており、けが人もなかった。

 現場は松原小学校の東約100㍍で、午後8時46分、近くの住民から通報があり、御坊署と日高広域消防、美浜町消防団合わせて18台94人が駆けつけ、9時23分に鎮圧、9時48分に完全に消し止めた。

 御坊署や日高広域消防によると、田中さんは一人暮らし。出火当初、行方が分からなかったが、次々と目撃情報があり、午後10時半ごろ、無事が確認された。

 田中さん宅は四方を民家に囲まれ、延焼が心配されたが、幸い風は弱く、狭い路地からホースを延長しての消火活動で阻止。一方で勢いよく燃える炎とともに煙がもうもうと上がり、現場周辺は多くの地域住民が集まり騒然となった。

 田中さん宅と庭を隔て東隣に住む女性は、臭いに気づき、窓の外に燃え上がる炎を目撃。すぐ夫に知らせ、近所の住民に通報を求めた。女性は「こんなに怖いのは初めて」と表情をこわばらせ、庭からホースで水道水をかけていた夫も「あの火の勢いじゃ(消すのは)無理。熱いのなんの」と話していた。

 翌5日、御坊署と日高広域消防が現場調査を行うとともに、田中さんから話を聞いて火元や原因について詳しく調べている。

写真=田中さん宅から燃え上がる炎(午後9時ごろ)