県内のインフルエンザ患者が急増している中、御坊保健所管内でも患者数が増えており、猛威を振るっている。23日現在、今シーズンで最も多い管内9小中学校の11クラスが学級閉鎖になっている。今後も感染が拡大してピークに向かっていく可能性があり、予防対策など十分な警戒を啓発。全国的には子どもや高齢者の死亡例も報告されており、とくに高齢者の福祉施設では面会制限するなど厳戒態勢で予防に努めている。

 県健康推進課によると、県内49の定点医療機関からの患者報告数は今シーズン、ことし第1週(12月31日から1月6日)から一気に増え始め、第2週(7から13日)で32・57人となり、注意報を飛び越えていきなり警報基準(30人)を突破。御坊保健所管内は第2週で20・67人とまだ注意報レベルで、第3週(14~20日)も現在集計中だが、今週になって患者報告数は非常に増えており、23日現在では新たに由良町の白崎小学校6年生、印南町の印南中学校1年生が学年閉鎖となった。合計の閉鎖数は今シーズンで最多となり、今後警報基準を超える可能性があり、過去の傾向からもこれからがピークに達していくとみられている。


 多くの高齢者が入所している特別養護老人ホーム等ではこのシーズン、毎年警戒を強めている。美浜町の特別養護老人ホームときわ寮では入所者、職員全員が予防接種を受けており、来所者には手指消毒とマスク着用に協力を求め、発熱等の症状のある人には面会を遠慮してもらうよう入り口のはり紙で協力を呼びかけている。御坊市名田町野島の特別養護老人ホーム日高博愛園でも同様の態勢で、「面会を遠慮してもらったり、面会室を設けて個別に会ってもらうようにしています。この時期はやはりとくに気を使います」と感染予防に力を入れている。


 全国的には長野県で小学4年生の男児がインフルエンザ脳症で死亡する事例も発生しており、県では予防対策の徹底を啓発。手洗いやマスク着用、重症化を防ぐためにも早めの医療機関受診や予防接種を受けるなどの対策を取るよう協力を求めている。

写真=管内の特養ホームでは感染予防へ協力を求めるはり紙も