由良町門前、臨済宗鷲峰山興国寺(山川宗玄住職)で15日、開山以来約750年続く盂蘭盆会の精霊送りの伝統行事「火祭り」が行われ、多くの檀家や見物人らでにぎわった。

 同寺で午後9時から法要を行ったあと、10時ごろから同寺東の無常堂に移動。地元小学生が軽快に「たいまつ踊り」を披露したあと、若衆が両端に火の付いた特大たいまつを担ぐ「土俑(どよう)担ぎ」が行われた=写真=。土俑は長さ4・2㍍で、通常の重さは約150㌔だが、この日は午前中に降った雨で湿気を吸って約200㌔の重さに。両肩に担いで釜場を回る若衆たちは例年以上に悪戦苦闘しながらも、勇壮な姿を見せていた。

 クライマックスは県指定無形民俗文化財の「灯籠焼き」が行われ、幽玄の世界で六斎念仏と尺八の音色が響く中、檀家らは先祖の霊との別れとともに過ぎ行く夏を惜しんでいた。