総合格闘技「チーム日高」(垣内義秀代表)所属で和歌山病院勤務の入田和樹さん(32)=日高川町入野=が、10日に福岡県で開催された格闘技イベント「Dream Gate9」のヘビー級タイトルマッチに参戦し、見事勝利して自身初の王者に輝いた。国内のプロ格闘技大会は初参加ながら、1ラウンドで衝撃のKO勝ち。総合格闘技参戦6年目で、念願だったプロのチャンピオンベルトを手にした。
 Dream Gateは池端光浩氏が代表を務める有名格闘技団体。入田選手は昨年11月、韓国最大の格闘技イベント「ANGEL fight」に参戦した際、池端代表からオファーを受け、タイトルマッチの挑戦者としてリングに上がった。Dream Gate9はプロ選手の試合が9試合組まれ、キックボクシングのルールで行われた。入田選手はトリとなる9試合目、同大会のメインとして王者・田中隆選手(隆真GYM)に挑んだ。
 この試合へ向け半年かけて下半身や体力を強化し、約10㌔の減量でスピードに磨きをかけてきた練習の成果を見事に発揮した。超満員の会場は、王者田中選手への大声援に包まれ、入田選手にとってはアウェーのような雰囲気。「緊張はなかった。入場のときは盛り上がる客席の中でも自分の中では静まりかえっていて、集中できていた」と独特のムードの中でも平常心を保ち、御坊をはじめ和歌山県内から足を運んだ約30人の応援団の後押しも受けてリングへ。試合は開始早々から見応えのある激しい打ち合いとなる中、ゴングから約2分、得意のパンチがさく裂。田中選手の右フックに合わせて放ったカウンターの右フックが顔面にクリーンヒット。1発でダウンを奪い、そのままKO勝ち。衝撃の国内プロデビュー戦に会場は一瞬静まり返った。
 入田選手は「相手がすごく強くて、ローキックはかなり効きましたが、狙い通りのカウンターでKOできた。リング上で実感は湧きませんでしたが、一日たって目が覚めたときにベルトがあって、プロのチャンピオンになれたんだと、うれしさがこみ上げてきました。両親や支援していただいた皆さんに感謝しています」と喜びいっぱい。来年の同大会では王者として防衛戦に臨むほか、ほかの格闘技団体からもオファーを受けており、「これからもいろんな大会でチャンピオンになれるように頑張る」と張り切っている。セコンドを務めた垣内代表は「プロのファイターはやはり強かったが、入田はそれ以上に強かった。これからも格闘技界を盛り上げていきたい」と話している。