今月11日、印南町印南原の路上で88歳の女性が倒れているのが見つかり、その後、死亡した事件で、御坊署は15日、近くに住む71歳の女をひき逃げの疑いで逮捕した。
 逮捕されたのは印南原の農業川口一枝容疑者(71)。調べによると、川口容疑者は11日午後4時30分ごろ、同地内の県道から脇に一本入った私道上で、ビニールハウスから軽トラックで移動する際、近所に住む井上百合子さん(88)をひいたにもかかわらず、そのまま逃走した疑い。井上さんは発見後、病院に運ばれたが、搬送先で死亡が確認された。
 司法解剖の結果、死因は多発外傷による外傷性ショックで、御坊署は交通事故に巻き込まれた可能性が高いとみながら事件と事故の両面で捜査。現場に出入りしそうな車両について調べたところ、綿密な鑑識活動の結果、第一発見者の妻の川口容疑者が日ごろ使っていた軽トラの底の部分と、井上さんの衣服にあった跡が一致したことから逮捕に至った。
 川口容疑者は調べに対し、「車を発進させたが人の姿は見ていないし、車を走らせたときにひいた感触もなかった」と容疑を否認しているという。