美浜、日高、由良の3町でつくる県道御坊由良線整備促進協議会の設立準備会が9日に町村会応接室で開かれ、3首長がことし4月に同協議会を設立することで合意した。同線は3町の海岸線を走る道路で、現在も狭く不便な区間が多く残っている。今回、災害支援や観光、生活ルートとしての必要性を再認識し、3町がスクラムを組んで改良を促進していくのが目的。設立後は関係機関への要望活動などを展開していく。
 対象となる県道御坊由良線は、御坊市内花ご坊前交差点から和田を通って海岸線に向かい、日高町を通って由良町の衣奈トンネル北詰めまでの延長37㌔区間。二十数年前までは「キララ・ときめきロード」の愛称で整備が進められてきたが、他の優先順位が高い県道整備が進められる中で、この愛称での取り組みが立ち消えの状態となっている。現在も一部区間では拡幅、改良が進められているが、狭い幅員や急カーブなど交通の便が悪い未整備区間が多くある。
 設立準備会では美浜町の笠野和男副町長が趣旨を説明。さらに担当課職員が県道御坊由良線について▽海岸沿いに点在する集落を結ぶ唯一の道路であり、災害時の支援道路として強化が必要▽沿線は紀伊水道や点在する島々が眺められる風光明媚(めいび)なところ。温泉、民宿、海水浴場、日ノ御埼などをつなぐ観光ルートにもなる▽サイクリング道路として奨励されているが、現在では狭く危険▽生活道路としても支障が出ている――などと、整備の必要性を説明した。
 これを受け畑中雅央由良町長は「協力して取り組んでいくことは大事」、松本秀司日高町長は「あらためて県道御坊由良線を重要道路として位置付けよう」、森下誠史美浜町長は「三本の矢として3町が集まって取り組めることは、素晴らしい」などと述べた。
 今後は4月にも県道御坊由良線整備促進協議会の設立総会を開催。会員は町長、町議、区長会会長、バス、タクシー、トラックなどの運輸民間会社、観光の関係者らを予定している。主な活動としては、3町が連帯と協調を図りながら、県などへの要望活動を行っていく。