2日昼、御坊市藤田町藤井の民家で、女性の変死体と80歳の男性が意識不明の状態で倒れているのが見つかった。御坊署は翌3日、男性の交際相手の女を、先月起きた男性に対する傷害の疑いで逮捕。今回の件との関連も含めて捜査を続けている。
 逮捕されたのは、御坊市藤田町吉田の無職谷本マチ子容疑者(64)。藤井の民家で亡くなっていたのは、この家に1人で住む清掃員栗田ヨシ子さん(67)。調べによると、2日正午すぎ、栗田さんと一緒に見つかった御坊市野口の無職圦本晃さん(80)の家族から、「(1月)31日の夕方から出かけたまま帰らない」という届け出があり、御坊署員が捜索。午後3時11分ごろ、署員が谷本容疑者とは別の交際相手だった栗田さん宅を訪ねたところ、鍵がかかった勝手口のすき間から土間に全裸で仰向けに倒れている栗田さんを発見し、家の中に入ってみると、圦本さんが居間で意識のない状態で倒れていた。圦本さんは3日正午現在も意識はなく、重体となっている。
 1月22日深夜から23日未明にかけ、この3人が栗田さん宅前で口論となり、署員が駆けつける騒ぎがあったため、御坊署は遺体発見後に谷本容疑者から事情を聴取。その際、22日に圦本さんを殴ったことを認めたことから3日、傷害の疑いで逮捕した。
 現場は藤井郵便局から南約350㍍。栗田さん宅は木造平屋、二軒長屋の1軒。発見当時、県道に面した西側の玄関は鍵がかかっており、署員は東側の勝手口に回った。司法解剖の結果、栗田さんの死亡推定時刻は2日未明で、死因は低体温症。すり傷や皮下出血はあったが、致命傷になるようなものはなく、一方、圦本さんの顔には殴られた痕があり、原因不明の脳内出血がみられるという。
 御坊署は引き続き現場検証を行い、詳しい経緯や原因を調べるとともに、谷本容疑者から話を聞いている。