日高川町が高台の小熊公園で進めている防災センター工事は着々と進み、このほど外観が姿を現した。普段は防災研修、有事の際は避難場所となる地域防災の要となる施設。今後は内装、来年度で周辺整備などを行い、2019年度の供用開始を目指す。
 日高川町は沿岸部ではないが、巨大地震による津波が川をさかのぼって押し寄せるという最悪の事態に備え、東日本大震災以降、小熊区などでは避難訓練を実施。1953年と2011年には大水害を経験しており、土砂災害の危険も高くなっている。
 防災センターは鉄骨平屋で延べ床面積は約1500平方㍍。小熊公園は広場が上下2段になっており、施設は段差をまたぐように建ち、下段を活用して備蓄倉庫とする地下室も整備。施設内には避難スペースや調理室、トイレ、炊き出し場などを設置し、普段は避難スペースを研修室として使う。周辺には駐車場を整備。すぐ西隣には高速道路が走っており、災害時の避難物資の運搬などでリンクできるよう検討している。
 15年度に設計し、16、17年度で施設建設、18年度で周辺整備や研修室の整備。現在は外観工事がほぼ終わり、強固さを感じさせる建物が姿を現している。今後は内装に取りかかっていく。
 総事業費は約8億円。設計は和歌山市の㈱岡本設計(坂本暁史代表)、施工は有田川町野田の三洋建設㈱(川口禎男代表)。