文化財防火デーに合わせ、日高広域消防は25日に日高川町の道成寺、26日に由良町の興国寺で総合消防演習を実施。いずれも地元消防団や関係者と連携した放水を本番さながらに行い、地域の貴重な文化財を後世に残していく決意を新たにした。
 道成寺では参拝者の失火で本堂の南側から出火、火災が本堂全体に燃え広がったと想定し、まずは寺の関係者が消火器で初期消火を実践。レスキュー隊が煙が上がる本堂に突入し、取り残されたけが人を発見、救出し、救急隊に引き継いだ。消防隊とともに、地元消防団と寺の自衛消防団が境内の放水銃、ホースで本堂に向けて一斉に放水。木村奨消防長は「日ごろの備えを一層強化し、自主防災の充実を図ってください」と講評した。
 興国寺では消防隊や町消防団、寺檀家ら自警団が避難や消火活動を展開した。参拝者の失火で本堂南側から出火、火災が本堂全体に広がる恐れがあると想定。寺の関係者が消火器を使っての初期消火を実践したあと、本堂に向かって一斉放水を行い、煙がもくもくと上がるなか力強い水柱を立てた。平野弘一署長は「迅速かつ適切な活動でした」と講評し、文化財保護に向けた防火意識の高揚と万が一への備えにあらためて協力を呼びかけた。