優れた防災の教育や活動に取り組む学校や団体を顕彰する「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)で、本年度の受賞校・団体が決まり、印南中学校(木村栄一校長)の3年生が昨年に続いて優秀賞に選ばれた。本年度は生徒40人が車いすを使って災害時要援護者の避難を体験。課題や解決方法を研究し、2010年度以来8年連続の入賞。来年1月7日に神戸市で表彰式・発表会が行われる。
 本年度は全国130校・団体から応募があり、上位から順にグランプリ1、「ぼうさい大賞」3、優秀賞4、奨励賞7、特別賞18の計33校・団体が決定。印南中は05年度から3年生の総合的な学習で有志が研究に取り組み、10年度から12年度まで奨励賞、13年度に特別賞「津波ぼうさい賞」、14、15年度は特別賞「継続は力なり賞」を受けている。
 昨年度から全員による取り組みとなり、ことしは7月に防災講座を受け、9月に車いすを使って災害時要援護者の避難を体験。人力車のようにけん引する用具をつけた車いすで訓練を行い、災害弱者の視点で問題点を探った。その後、防災フォーラムを開催。地域の自主防災組織と話し合った。今後、有志の「津波班」は地元の印定寺に残る津波災害記録を英訳。VTRを作成する。
 受賞に扇田悠太君と叢哲成君は「けん引用具を使った車いすの避難は2人以上が必要になる。要援護者の方の苦労も分かった。避難路のでこぼこが解消されればもっと楽になると思う。もしものときはまずは自分の命。そして困っている人を率先して助けてあげたい」と笑顔。防災教育を担当している講師の阪本尚生さん(62)は「自主防災組織の皆さんと話し合う機会ができてよかった。行政、学校、地域で協力して防災に取り組んでいきたい」と話している。
 表彰式・発表会は兵庫県公館であり、発表会には優秀賞以上の8校が登壇。印南中3年生は中村美咲さんと林杏瑞さんが代表して発表を行う。