大阪芸術大学グループが全国の高校生を対象に次世代の芸術文化の担い手となる若い才能を発掘する公募企画「世紀のダ・ヴィンチを探せ 高校生アートコンペティション2017」で、紀央館高校2年生、木下友貴君の絵画「紅葉」が上位3番目となる銀賞を受賞した。放送や建築など多ジャンルの芸術を競うコンペで、絵画の中では最高の賞に輝いた。

 同グループが2007年度から主催しており、絵画、写真、彫刻、工芸、漫画、文芸、映像、音楽、舞台、放送など幅広い芸術ジャンルを対象に実施。上位入賞には学費免除や奨学金などがあり、11回目となる今回は46都道府県の421校から2326点の応募があった。ダ・ヴィンチ大賞1点、金賞1点、銀賞1点、審査委員長賞2点、優秀賞14点、特別賞16点などが選ばれた。

山城絵画木下くん.jpg

 木下君の作品「紅葉」は、昨年、高野山で見た紅葉を100号(162×131㌢)のキャンバスに油絵で描いた。光が当たり明るくなっているところと、影で暗くなっているところをめりはりをつけて描くことで、立体感を表現。細かな部分も丁寧に描き、約半年かけて写真のようなきれいな紅葉に仕上げた。講評でも「枝などの細部の表現から生命感や躍動感が宿っているのを感じ取れる力作」と評価。「思っていた以上の賞をとれてとてもうれしいです。今後はさらに上の賞を目指すとともに、将来は芸大に進み、絵に携わる仕事ができれば」と話している。

山城絵画上田さん.jpg

 紀央館からは3年の上田夕加さんの絵画「春雷」が特別賞を受賞。同コンペには最高賞を受賞していなければ他のコンクールに出品した作品も応募でき、昨年の高校生国際美術展で上位9番目の賞を受賞した「春雷」を出品。F50号(116×91㌢)のキャンバスにリアルなタマネギを描いた作品で、タマネギの皮が光って雷のように見えることから背景を黒くし、タイトルを「春雷」と名づけた。「自分の中で最も純粋な気持ちで描いた愛着ある作品です。国際美術展に続いて受賞できうれしいです」と話している。