長年、戦没者遺族、戦傷病者らをサポートする活動に功績のあった人をたたえる厚生労働大臣の援護事業功労者表彰の受賞者が発表され、日高地方からは戦没者遺族援護功労で御坊市遺族会の内田善治さん(80)=同市熊野=が選ばれた。1997年から同会の役員となり、2010年から2年間は会長を務めるなど、地域の遺族会活動に貢献。表彰式は7日、東京の中央合同庁舎講堂で行われる。
 ことしの厚労大臣援護事業功労者表彰は全国で98人、和歌山県は3人。内田さんは10年3月から12年3月まで御坊市遺族会会長と県遺族連合会理事、10年4月から13年5月までは厚労省の戦没者相談員も務めた。現在も市遺族会の相談役として、会員の指導、育成、組織の運営を支援している。
 出身は有田郡有田川町(出生時は石垣村)糸川。母親の弟が戦死した妻久枝さん(75)との結婚で御坊市の遺族会会員となり、県の農業改良普及員を定年退職する2年前に遺族会の熊野地区の役員、退職した97年からは遺族会の理事としてかかわるようになった。遺族の高齢化とともに慰霊祭等の行事に参加する会員、市民が減少していくなか、英霊に哀悼と感謝の意を表し平和を願う年1回の慰霊祭などの運営、遺族の援護活動、福祉増進に貢献してきた。
 大臣表彰受賞には「ただ役員を長く務めたというだけで、身に余る光栄に驚きと感激でいっぱいです。これも私を支え、懸命にご指導くださった諸先輩方、役員の皆さまのおかげと感謝しております」と話している。