14日から和歌山市内の県立博物館で開かれる特別展「道成寺と日高川―道成寺縁起と流域の宗教文化―」に向けて13日、日高川町鐘巻の道成寺(小野俊成住職)から千手観音像が出発した。
 奈良時代の8世紀前半から中盤ごろに造られたとみられる日本最古級の像。同寺で1988年ごろに発見され、初代本尊として本堂に安置している。
 高さ約2・5㍍、重さは約400㌔。運搬は専門業者によって行われ、顔や手、足などを傷つけないように梱包材で丁寧に包み、木の板に乗せて8人がかりでトラックに乗せた。
 特別展では千手観音像のほか道成寺縁起絵巻なども展示。小野住職は「修復が終わった絵巻のお披露目のいい機会でもあり、多くの方に道成寺のことを知ってもらいたい」と期待を込めている。特別展は11月26日まで。