日高町比井、岬旅館(冨田紀章代表)が最新鋭の大型乗合船「第十二岬丸」を建造し、3日に地元漁港で進水式を行った。
 排出量15㌧、全長20㍍、全幅4・85㍍で、乗客数は26人。魚群探知機などは関西初の最高設備を備えており、キャビンは冷暖房完備で、20インチテレビ、レンジ、ポットがある。トイレは温水洗浄便座と真水が出る手洗いを導入。船上の照明や集魚灯はLEDで、十分以上な明るさと燃費の向上を実現している。船体の建造は㈱嶋造船所(御坊市)、エンジンは㈲福原マリンディーゼル(同)、電気設備は戸田電機店(みなべ町)。
 進水式には、松本秀司町長や山田理司商工会長らも出席。内原王子神社の楠本年美宮司が神事を務め、玉串をささげたあと、出席者が船に乗って試運航。再び漁港に戻ってから盛大にもちまきも行い、地元住民ら約250人が集まった。
 船長を務める冨田代表(39)にとっては、先代の父から引き継いで初の乗合船建造で、「お客さま第一の立場で視察を重ね、これぞという機能をたくさん導入しました。女性も快適に釣りをしてもらえるよう気を配っています。広い釣り座も用意させていただきました」と話している。