秋の全国交通安全期間中の23日昼、日高川町寒川の県道で軽トラックが道路から約10㍍下の谷に転落し、運転していた地元の87歳男性が頭を強く打って死亡。助手席に乗っていた81歳の妻も胸などにけがをした。
 亡くなったのは寒川の無職森岡茂春さん(87)。現場は寒川第一小学校から東約2・4㌔、小藪川右岸の県道田辺龍神線で、調べによると、午前10時10分ごろ、森岡さんの運転する軽トラックが田辺市龍神村から国道424号(御坊市)方面へ走行中、西の谷橋を過ぎた付近で対向車に道を譲ろうとしてバックしたところ、道路左側の谷に転落した。森岡さんは落下途中で車外に投げ出され、谷底の河原の石で頭を強打。意識不明の重体で御坊市内の病院に搬送されたが、午後0時35分に死亡が確認された。一方、妻は車内にそのまま取り残され、駆けつけた日高広域消防が救助。胸などを打って、ドクターヘリで和歌山市内の病院に運ばれたが、命に別条はないとみられている。
 事故現場は幅2・5㍍の舗装された直線道路。ガードレールは付いていなかった。川の対岸に新しい道路があり、普段通行する車は少ないという。ことし御坊署管内の死亡事故は2件、2人目の交通犠牲者となった。