7日午後、県北部に上陸した台風5号の影響により、県内では強風にあおられ転倒するなどして4人が重軽傷を負い、各地で道路が冠水、住宅床下浸水などの被害が出た。日高地方は日高町、由良町、日高川町で避難勧告が出され、7市町合わせて42世帯58人が一時避難。主な被害は、御坊市と美浜町で男性2人がけがをしたほか、日高川町の日高川に架かる歩道橋つり橋の架線が外れて通行止めとなり、コンビニエンスストアのドアが強風で割れるなどした。
 台風5号は午後3時半ごろ、和歌山県北部に上陸し、夜にかけてゆっくりと近畿地方を縦断。県内では和歌山市西浜で76歳の女性が運転する原付が風にあおられ車と接触、骨折するなど4人が重軽傷を負った。交通機関はJRきのくに線、JR和歌山線、南紀白浜空港、南海フェリーで運転見合わせ、欠航が相次ぎ、約1万3000軒が停電した。
 和歌山地方気象台によると、日高川町の川辺観測所で7日の24時間雨量が200㍉に達し、午後3時10分には最大瞬間風速30・8㍍を観測。日高地方は日高町(志賀川・西川沿線)、由良町(全域)、日高川町(同)とで避難勧告が出され、7市町合わせて42世帯58人が学校の体育館や公民館等に避難、または自主的に避難した。
 人的被害では、御坊市島の市営住宅に住む69歳の男性が、風で飛ばされた廊下のごみ箱を拾おうとして転倒。腰を打って救急車で病院へ搬送されたが、幸い軽傷だった。美浜町和田(入山)では町道の倒木の撤去作業をしていた町臨時職員の男性が左肩を負傷。道路関係では由良町大引―小引間の県道御坊由良線が越波により全面通行止めとなったほか、御坊市藤田町吉田(道成寺前)の県道日高印南線など各地で冠水による通行止めとなった。
 このほか、日高川町では高津尾の鳴滝歩道橋つり橋の架線が外れたため通行できなくなり、土生の役場近くにあるコンビニのドアのガラスが強風で割れた。由良町の畑地区では午後3時から1時間に71㍉という非常に激しい雨が降り、住宅1軒が床下浸水、江ノ駒では田んぼのあぜが崩壊。日高町では原谷と小中で床下浸水が1軒ずつ、原谷で土砂等が流入して倉庫が一部損壊する被害があった。