日高果樹技術者協議会(廣澤健仁会長)は25日、日高地方4市町で23・24日に実施した梅の着果調査結果を発表した。今回が最終。主力品種の南高梅が対象で、主産地のみなべ町と印南町の着果数は過去10年間の平均値と比較して「やや少ない(81~90%)」で、果実肥大(果実の長径)は104%とほぼ平年並みだった。生育は昨年と比べ1週間程度遅いという。
 みなべ町118園、印南町17園、御坊市6園、日高川町19園の計160園で実施。各園地で平均的な南高梅1樹を選び、直径2㌢程度の枝に着いた果実数を調べた。
 地域別では過去10年間の平均と比較すると、みなべ町の岩代・南部と上南部は「少ない(80%以下)」、高城は「やや少ない」、清川は「並み(91~109%)」。印南町は「少ない」だった。このほか御坊市は「少ない」、日高川町の川辺地区と中津地区は「並み」。全体の平均は「やや少ない」という結果となった。
 肥大調査でみると、みなべ町の岩代・南部が105%、上南部が103%、高城が107%、清川が102%、印南町が100%だった。御坊市は98%、日高川町の川辺地区が101%、中津地区は104%となった。果実数は全体的に少ない傾向だが、肥大は大半の地域で過去10年平均比を上回った。園地や樹によって着果にばらつきがみられ、一部の園地でかいよう病や灰色かび病の発生が確認された。4月15日に降った雹(ひょう)による被害がみなべ町東本庄の一部であった。
 同協議会では「今後の気象条件、病害虫の発生、生理落下程度、果実肥大状況により作柄は変動する」としている。