ことし1月、田辺市龍神村柳瀬の山中で大工の場谷忠善さん(50)=同市龍神村安井=の死体が見つかった事件で、県警捜査一課は27日に場谷さんの長女で上富田町朝来、無職柴田幸江(ゆきえ)容疑者(23)と夫のパート職員大幸(ともゆき)容疑者(31)を死体遺棄の疑いで逮捕した。大幸容疑者が使っている軽乗用車の車内から血痕が発見され、場谷さんとDNAが一致した。
 発表では、両容疑者は昨年12月5日午後3時ごろからことし1月10日午前11時ごろまでの間、場谷さんの遺体をビニールシートに包んだ上、同市龍神村柳瀬の県道から山中に投げ捨てた容疑。
 場谷さんは長女夫婦と上富田町で同居していた。1月18日に上富田町の長女夫婦宅を家宅捜索した際、2台の軽乗用車を押収。そのうち1台の後部座席から場谷さんのDNAと一致する血痕が見つかった。大幸容疑者は容疑を認めているが、幸江容疑者の認否について県警は発表していない。場谷さんは発見当時、右肩に深さ約10㌢の刺し傷があったため殺人事件でも捜査しており、長女夫婦が場谷さんの死亡した経緯も知っているとみて詳しく捜査を進めている。
 遺体は1月10日、清掃作業中の中学生が発見。その後の調べで、昨年12月初めごろから場谷さんが行方不明になっていたことが分かったが、長女の幸江容疑者は、場谷さんの携帯電話から「連帯保証人になり、他の場所に働きにいく。探さないでほしい」などという趣旨のメールが届いたと説明していた。