田辺市龍神村柳瀬の県道脇で男性の遺体が見つかった殺人・死体遺棄事件で、被害者の身元が同村安井の大工場谷忠善さん(50)だったと判明したことで、地元では「村外の人だと思っていた。まさか龍神の人だったとは...」と驚きの声が聞かれている。
 場谷さんは昨年12月まで長女が住む上富田町で生活していたが、以前は龍神村安井地内に住んでいた。近所の男性(52)は「3年ほど前に村内の甲斐ノ川地区から引っ越してきて、気さくに話したりしていた。昨年11月の秋祭りで見かけたのが最後だった」と肩を落とした。別の男性(65)も「龍神から上富田町に引っ越すということは2年前の8月ごろに話していた。地域の祭りの準備や清掃活動も積極的にやってくれていたが、昨年の1月か2月ごろに話して以来見かけないようになった」、中学時代に下山路中学校で同級だったという男性は「部活は陸上部で、温厚な性格だった。2年前の同窓会にも出席して元気そうだったのに...」と突然のニュースにショックを受けた様子だった。
 事件の概要は、去る10日に虎が峰の道路脇の山林で清掃作業中の中学生がブルーシートにくるまれた死体を発見。司法解剖の結果、右肩に刺し傷があり、田辺署内に捜査本部を設置して殺人・死体遺棄事件として捜査している。