10日午前11時20分ごろ、田辺市龍神村柳瀬の県道沿い山の斜面でブルーシートにくるまれた男性の遺体が見つかり、右肩に刺された跡があった。田辺署内に捜査本部を設置し、殺人・死体遺棄事件として調べを進めている。地元では「犯人が逃げていると思うと怖い」などと不安の声も聞かれている。
 同署によると、現場は虎ヶ峰トンネルから北へ約1・2㌔の道路沿い。周辺には民家がない場所。道路から約6㍍下の雑木林の中で発見され、ブルーシートの上からビニールひもで縛られた状態だったという。遺体は身長175㌢で年齢は不明。長袖のTシャツとジャージーのズボンを着用し、靴は履いておらずはだしだった。所持品はなく、司法解剖を行った結果では、死亡推定は昨年12月末ごろで、死因は右肩を刺されたことによる出血性ショックの疑い。県警は本部刑事部長をトップとする捜査本部を田辺署内に設置し、92人体制で調べを進めている。
 発見したのは地元の中学1~3年生の数人で、学校で定期的に行っているボランティアの清掃活動中に見つけた。ブルーシートから人の足が出ているのに気づき、交通整理をしていた署員に通報した。地元の男性(63)は「こんな静かな村で、年始めから物騒な事件が起きた。早く犯人が捕まってほしい」と不安そうに話していた。現場は不法投棄が多い場所だった。