優れた防災の教育や活動に取り組む学校・団体を顕彰する「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)で、本年度の受賞校・団体が決まり、印南中学校(木村栄一校長)の3年生が優秀賞に選ばれた。平成22年度以来7年連続の入賞で、本年度は生徒31人が新しく建設された町の施設で避難所運営訓練を行い、これまでで最も上位の賞を獲得。来年1月8日に神戸市で表彰式・発表会が行われる。
 本年度は全国136校・団体から応募があり、最優秀賞から順にグランプリ1、「ぼうさい大賞」3、優秀賞4、奨励賞7、各特別賞29の計44校・団体が決定。印南中は17年度から3年生の総合的な学習で有志が研究に取り組み、22年度から24年度まで奨励賞、25年度に特別賞「津波ぼうさい賞」、26年度と昨年度は特別賞「継続こそ力賞」を受けている。
 ことしは全員による取り組みで、まずは7月に避難所生活について勉強。避難したあと元気に助かるための学習を受け、9月に印南避難センターで避難所運営を実践した。部屋を段ボールで間仕切りしたほか、それぞれ安心できる避難所づくりを体験。また、有志の「津波研究班」は昭和南海地震から70年目に合わせ、当時のことを知る80~90代の地域住民に被災体験の聞き取りを行い、教訓を伝えるためリーフレットにまとめて住民に配る。
 受賞に、委員長の坂口博哉君(14)は「みんなで協力して取り組んだことなのでうれしいです。地域や津波について詳しく知ることができました。もしものときの犠牲者ゼロ、早い復旧・復興に生かせるよう力になりたいと思います」と笑顔。防災教育を担当している学習支援員の阪本尚生さん(61)は「上位3賞に入ることができてうれしいです。学習の成果は有益な情報として地元に返していきたい」と話している。
 表彰式・発表会は兵庫県公館であり、発表会には優秀賞以上の8校が登壇。印南中3年生は伊東美空さんと大谷香乃さんが代表して発表を行う。