長年にわたって戦没者遺族らの援護に関する事業に携わり、顕著な功績を残している個人に贈られる援護事業功労者厚生労働大臣表彰の本年度受賞者が決まり、みなべ町北道、県遺族連合会副会長の杉本正博氏(73)が選ばれた。英霊の慰霊に大きく寄与したことなどが認められた。表彰式は8日に東京都千代田区霞が関の中央合同庁舎で行われる。
 杉本さんが1歳半の時、父親の冬春さんが終戦間際の昭和20年1月28日に中国で戦死。父親の顔も覚えていないが、戦地から届く手紙には生まれたばかりの杉本さんを思う内容がよく綴られていたという。
 平成17年4月からは日高郡遺族連合会の会長に就任。26年4月からは県遺族会の副会長も務めている。長年にわたって英霊の慰霊や顕彰に大きく貢献し、戦没者大会の開催では中心的な役目を果たしている。戦後70年の昨年は県遺族連合会が記念誌「あゝ大東亜戦争 遺児たちの歩んだ道」を出版したが、遺族への原稿依頼など積極的に制作に取り組んだ。受賞が決まったことに、「軍人だった父親は戦死したが、空襲などで多くの一般人も被害を受けた。今後も戦争のない平和な日本であり続けられるよう、活動していきたい」と話している。