19日未明、印南町西ノ地のコンビニにパンストをかぶった若い男が押し入った。男はカウンター内にいた60代の男性店員にナイフのような刃物を突きつけ、「お金ください」と脅迫しながら現金を要求したが、店員が火ばさみで抵抗したため何も奪わず逃走。20日正午現在、男は見つかっておらず、御坊署が強盗未遂事件として行方を追っている。
 現場は切目王子神社から北約200㍍、国道42号沿いのファミリーマート切目口店で、同署によると、午前2時57分ごろ、茶色のパーカーを着てフードをかぶり、パンストで顔を隠した男が入店。果物ナイフのような刃物を店員に突きつけ、カウンターに身を乗り上げながら、「お金をください」と脅した。店員がカウンター内に置いていた火ばさみで刃物をたたき落とし、応戦したところ男は刃物を拾い店から出て、徒歩で国道を南(田辺方面)へ逃走。当時、店内に客はおらず、店員にけがはなかった。
 店員が異常を知らせるスイッチを押し、警備会社から警察に通報した。男の特徴は年齢が20歳前後。身長170㌢前後の中肉で、パーカー、パンストのほか、黒色のズボンで黒っぽい色の手袋をしていたとみられている。刃物は刃渡り10~15㌢。
 同署では捜査を進めるとともに、署員約30人を配備して警戒を強化。町も午前5時10分に注意を呼びかける町内放送を行い、町内では登校日を取りやめる小中学校があった。
 御坊署管内での強盗事件は、平成24年10月に美浜町の民家で起きて以来発生していない。