「お盆に泳ぎに行くと、(水の中へ)引きずり込まれる」。子どものころ、祖母に言われた記憶がある。今になって、両親に聞いても同じことを言う。お盆はあの世から帰ってきた先祖の霊を供養する時期なので、いわゆるレジャー場所で遊ぶのは不適切ということだろうか。迷信的なものとは別に、何より休みで人が多く、事故も増加。危険なところに近寄らず、伝統行事を守る教訓的な意味合いもあるのだろう。
 昨年8月14日、日高川町の日高川で和歌山市から水遊びに来ていた男女3人が溺れ、女性1人は自力で岸にたどり着いたが、会社員と中学生の男性2人が亡くなるという事故があった。この事故を受け、御坊署、町、公益財団法人県水上安全協会が翌9月、現場近くの若野橋東詰、左岸の河川敷に「なくそう水の事故 流れが速く深みもあるので注意」と表示した大型の看板を設置。水難事故防止を啓発している。ことしの夏も水遊びをする子どもやレジャー客らで河原はいっぱい。近くを通るたび、どこか心配になる。
 さて、ことしも全国各地で水難事故が相次いでいる。12日には由良町の海でも大阪市の男性が亡くなった。ことし御坊署管内での発生は3件、3人目の犠牲者。昨年1年間は9件で8人が亡くなっている。先日、御坊署で聞いた主な注意点は「釣りやマリンレジャーの際はライフジャケットを着用する」「悪天候時や危険な場所での魚釣り、遊泳はしない」「保護者は水辺の子どもから目を離さない」「飲酒して水に入らない」など。地元はもちろん、よそから来るレジャー客にも知ってもらい、これ以上水の事故が起こらないよう願いたい。(笑)